RoRレポート2012/08/21 07:39

大変遅ればせながら〜(__;) the Return of the Kingのご報告の続きです。

まだ撮った写真を取り込めないでいるので、ネットにあがったマイケル・トールキンの写真を載せます。



日曜日は朝から晩まで盛りだくさんでハードな一日でしたが、BBCラジオでLotRの翻案をしたブライアン・シブリーの講演もありました。

彼は、PJの伝記を書いたそうなのですが、公認の伝記作者の彼ですら、NZまで行ってPJとの会見のチャンスを待っていてもちっとも会えないほど、PJは大忙しだったようです。

LotRをBBCラジオにドラマ化した時のエピソードもとても面白く、名前の発音をきちんとしたかったので、クリストファー・トールキンに名前をすべて発音・録音してもらったけれど、あまりにもブライアンがいちいち発音にうるさくて、発音が違うと思うと中断して訂正させたので、しまいには、直接口出しできない場所から見ていろということになってしまったとか。

シブリー氏、50年前に『ホビットの冒険』を読んで、ものすごく好きになったのがトールキンとの出会いだそうですが、その後なんとLotRはプロローグの最初の数ページでめげて、ず〜っと読んでいなかったのだそうです。でもプロローグを飛ばして本文から読み始めたらとたんに夢中になったそうです。よく聞くパターンですね。(^o^)

前々から、なぜBBCドラマのThe Hobbitでは、Thorinを「トーリン」と発音しているのか不思議だったので、シブリー氏に聞いてみたところ、自分はThe Hobbitのラジオドラマ化には全く関わっていないから、その間違いは自分のせいじゃない!とのこと。

The Hobbitの時には、クリストファー・トールキンに手伝ってもらうこともなかったので、たとえばガンダルフも「ダ」のところにアクセントを置いて読んでいたり、いろいろ間違いがあるのだと言っていました。

Thorinのことでは、日本語だと「トーリン」にするか「ソーリン」にするかの選択肢しかなく、「ソ」だとSの音になってしまうから「トーリン」の方がマシだと思うと言うと、同意を表明してくれました。

シブリーさん、ものすごくフレンドリーで、トールキンファンとの交流を心から楽しんでいるようでしたが、太りすぎて膝が体重を支えきれないんでしょうか、杖をついて歩くのがつらそうでした。そういう体型の人、珍しくないんですけどね。


そして夜は宴会。最初にトールキン協会の伝統なのだと言って、みんなで立ち上がり、西(Valinorの方向!)を向いて黙祷したのにはびっくりでした!その後はみんなで"To the Professor!"と言って乾杯。ホビット風の宴会ということでしたが、野菜スープから始まって、後はロースト・ビーフとヨークシャー・プディングとか、ごくふつうのイギリス料理でした。この宴会も延々と続いたのですが、時差ぼけのとれない私は10時まえには退散。真夜中すぎに集合写真を撮ったらしいのですが、残念ながらそこまでいられませんでした。

退散してきて、シャワーを浴びたら、ボイラーが故障したらしく冷水しか出ない。朝になってもまだ冷水。週末なので修理が出来ないのだそうで・・・日本じゃ信じられない話ですけど。まあ夏だし、珍しいほど気温も高め(昼間は23度ぐらい)だったのでよかったですけれど、でも朝晩はぐっと冷えるので、冷水シャワーには閉口しました。

月曜日の今日は、昼までですべての催しが終了。ディミトラ・フィミの発表がよかったです。トールキンはある時期からエドワード朝・ヴィクトリア朝的な「かわいい」フェアリーを否定するようになって、LotRのエルフは小さなフラワー・フェアリーとは似ても似つかないわけですが、『ホビットの冒険』ではまだ以前のエドワード朝・ヴィクトリア朝的な「かわいい」フェアリーの残像があるということを、ヴィクトリア朝の妖精画や挿絵を上手に使いながら解説。彼女の興味は前から私自身の興味ととても重なり合っているのですが、まだ若いのにとってもプレゼンも上手で、本当にいつも感心してしまいます。

私はオックスフォードに移動のため、閉会式は出ませんでしたが、いつでもみんなが夢中でトールキンについて語り合っているというなんとも不思議な、でも充実 した催しでした。

コメント

_ ym ― 2012/08/22 16:49

gmさま

ご報告を読ませていただきました。やはりgmさまでないとついていけないし十分に楽しめない異空間でしたね。さすが・・・充実したイベントに参加できて、ストレスも吹っ飛んだのでは?

ホビット食がイギリス料理とは・・・予想はついていましたけどね。残りのイギリス滞在をどうぞお楽しみください。RAが41歳だなんて、その年にしては貫録ありすぎです。

_ jade ― 2012/08/22 18:08

発音は、教授自身がちゃんと発音の仕方を指示しているのですから、そんな風にきちんとやって頂けるとありがたいですよねえ。
そうか、The Hobbit のドラマでガンダルフのアクセントが違うのは、そういう訳なのですね。ちなみに、わたしは、フロドをやったイライジャ・ウッドが「ギャンダルフ」と米国発音するのがとても嫌です。

フィミさんのエルフの話も、目から鱗ですわ。では、LotR ではエルフはあのように人間と等身大になったのは、北欧の影響か中世の影響ってことですかしらね。

ところで、一昨日はわたしはシェパード・パイを急に食べたくなって作りました。ホビット料理を味わっているだろうGMさまを思いながら食しておりました。

_ grendel's mum ― 2012/08/23 04:43

jadeさま、

エルフは、中世ロマンスのféeとか、アイルランドのTuatha Dé Danannとかの影響でしょうけれど、「ホビット」は子供向けのお話ということで、昔のフラワーフェアリー的なイメージが紛れ込んできちゃったんでしょうね。だって、もうとっくの昔に、ああいう妖精像とは決別していたはずなのに。「シルマリルの物語」ではおよそかわいいエルフなんかじゃないわけだし。

シェパードパイですか。夏にはちょっと不向き?私は今日のお昼はCornish Pasty(これ、パスティーって発音します)がふと食べたくなって、ランチにあつあつのを売っていたので買ってみました。う〜ん、やっぱりコーンウォールで食べた味とは違ったけど・・・。ずっしり重たくて半分しか食べられなかった。ほんとにここでは一人前が多すぎて、全部食べるともうお腹がはちきれそうになります。昨晩もデザートにサマープディングを頼んだら、日本だったら絶対3人分っていう巨大なのが出てきました。

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