リチャード三世プロジェクト(2)2013/02/10 18:28

このブログでもご紹介した、リチャード三世のドキュメンタリー番組がとっても面白くて、すっかりリチャード三世マイブームです。

リチャード・アーミティッジの長年の夢が叶って、この王様を演じられるといいのになあ!

かつてシェイクスピアの『リチャード三世』を演じた、これはローレンス・オリビエ:


このDVD、注文しちゃいました。アル・パチーノの"Looing for Richard"もですが。

そしてこれがNational Portrait Galleryのリチャード三世の肖像画:


ちなみに、遺骨から復元されたリチャード三世:


下の二つはsatsukiさんが見つけて下さった写真です。_(._.)_

これはリチャード三世の17世代離れた甥にあたるMichael Ibsen氏と並んだ写真。
そう言われてみるとなんだか似てみえるような。


ねえ、32歳の若さで戦士した王様ではありますが、われらがリチャード、いけると思いません?
これ、どうでしょう?C19のabigailさんの工作です:

コメント

_ jade ― 2013/02/10 21:22

ははは、abigailさんの工作愉快だわ。ローレンス・オリビエより似ているかも。
ちなみに、この肖像画の上に書かれている 'RICARDVS・ III・ ANG・ REX' とは、ラテン語で「イングランド王リチャード三世」の意味です。

でも、リチャード三世がハンサムなのは驚くことではないでしょう。
プランタジュネット家は、そもそも始祖ヘンリー二世のお父さんのアンジュー伯ジョフロワが当時もっとも美貌ということで知られた人ですものね。息子のノルマンディー公アンリ(のちのヘンリー二世。母はイングランド王ヘンリー一世の娘マチルダ、通称モード)だって、フランス王妃アリエノールが一目惚れして、夫のルイ7世(だったかな)と無理矢理離婚してまで10歳も年下のアンリと再婚しようとしたくらいですもの。アリエノールが跡取り娘だったお陰で、イングランドには南フランスの広大な領地アキテーヌが転がり込んだ訳です。

ところで、Mr ビーンことローワン・アトキンソンの 'Black Adder' という英国史をパロッたドラマに、1486年、つまりリチャード三世が亡くなった翌年を舞台に、リチャード四世がトルコ人制圧にでかけるというのがあります。このシリーズ、めちゃくちゃ面白いですよ。英国史を良く知っていればいるほど笑えます。もちろん、知らなくても十分面白いですが、知っている方が10倍は面白いです。(^▽^)

_ dante ― 2013/02/10 21:45

あ〜、ほんとだ。我らがリチャード、行けそう! もちろん
これよりずっとハンサムだけど、観客サービスということで。

”Looking for Richard"は、昔、シャンテかどこかで見ました。
細かいことは覚えていないのですが(物覚えが悪い上に、
物忘れが激しい)、とてもよかったです☆

_ jade ― 2013/02/13 01:58

5日付の Telegraph に、遺骨の全身写真と、どこにどういう傷があるかの説明がついて載っています。写真の青い○をクリックすると、説明文が出て来ます。頭だけで、10箇所も傷があったんですね。

http://www.telegraph.co.uk/science/science-news/9849541/Graphic-Richard-IIIs-injuries-and-how-he-died.html

こちらは4日付の記事で、埋葬場所などについてです。これまでにご紹介していない事実の部分のみかいつまんで載せておきます。

http://www.telegraph.co.uk/science/science-news/9847738/Richard-III-to-be-re-interred-in-major-ceremony-at-Leicester-Cathedral.html

遺体は来年レスター大聖堂に埋葬されるそうです。レスター大聖堂の聖堂参事会員総長によると、王が当時正式な葬儀を受けずに葬られたということは「聞いたことが無い」だろうとのことで、もう一度葬儀はできないので、追悼式になるとのことです。
バッキンガム宮殿は、コメントを控えています。

これに先立って、遺体をどこに葬るかで論争がありました。中世の王の多くが眠るウエストミンスターにという声や、王が埋葬を望んでいたと一部の歴史家が主張するヨーク大会堂にという声もありました。

しかし、これという指針となる遺書や文書も無く、法務省が元々の発掘場所であるレスター市とレスター大学に埋葬場所を決めることを許しました。ヨークを主張していた人たちもちゃんと埋葬してもらえるならと、レスターで納得しているようです。

この人物は、魚介類をかなりの量含む高タンパクの食事を採っていました。これは、身分が高かったということです。そして、15、16世紀に亡くなっていて、1485年のリチャード三世の死亡時期と一致します。

また、遺骨の横たわっていた状態も重要でした。裸で手は前で縛られていて、当時普通だった脇腹を下にして横になるというものではなかったからです。

この遺体のほんの数インチ真上に、19世紀にトイレが建てられていて、永遠に破壊されてしまう所だったとのことです。

発掘に携わったレスター大学の考古学者リチャード・バックレイは、もしも王が見つかったら「帽子を食べる」と言っていたそうで、成功するとは思っていませんでした。
それで、同僚の一人が、帽子型のケーキを作って食べさせたそうです。 (^o^)

また、発見前に主要な資金提供者が手を引いてしまい、発掘は立ち往生しそうになりました。リチャード三世協会のフィリッパ・ラングレイが世界中から寄付を募り、どうにか進行したのでした。

また別の記事によると、DNAを提供した子孫はマイケル・イブセンさんの他にもう一人いるそうですが、そちらの方は匿名希望だそうです。この二人のDNAが遺骨の物と一致しました。

こちらの8日の記事もどうぞ。

http://www.telegraph.co.uk/science/science-news/9857232/Richard-III-public-could-pay-respects.html

_ jade ― 2013/02/13 04:06

もう遺骨のレプリカが作られて、レスターのギルドホールで展示されていたのですね。ヴィデオによると、3Dスキャンしたデータをつかって、プラスティックの粉を一層一層重ねて行って作り上げるのだそうです。これを3D印刷というのですね。もう全身のレプリカができています。これがあると、研究にも便利だそうです。

恒久的な展示施設ができるまで、一年間はギルドホールで展示されるそうです。英国に行かれる方は、ご覧になって来てみて下さい。

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-leicestershire-21404789

また、ヨークに埋葬したいというネット上の要請は2万件近くあったそうですが、こちらにはこのレプリカが行くそうです。

さて、王さまの次はその息子の話が出て来ました。8日付のBBCによると、リチャード三世の庶子リチャード・プランタジュネットは、父が戦死する前夜に父のテントに連れて行かれたとのことです。この息子のお墓がイングランド東部ケント州のセント・メアリー教会にあるのではないかとのことです。

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-kent-21366578

息子の方は高齢になるまで生き、荘園領主のトーマス・モイル卿のために庭師もしくはレンガ積み職人として働いたとのこと。教区の記録では、1550年に81歳で亡くなっています。セント・メアリー教会には、リチャード・プランタジュネットの墓という墓碑銘のあるものがあります。

そこで、今回レスター大学で使われたDNAを用いて、墓地に埋まっているのは誰なのか特定したいという訳です。このまたとない機会を利用して、長年の伝説が本当かどうかを確かめたいのです。王には数人の庶子がいたことはわかっています。

しかし、発掘の計画は特にないとのこと。

_ jade ― 2013/02/13 04:44

まだ続きます。7日付のBBCによると、人々の要請にも関わらずヨーク大聖堂の参事会が、人々の気持ちはわかるがリチャードは終焉の地で埋葬されるべきだ、と受け入れを断ったのだそうです。

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-york-north-yorkshire-21373538

それからこちらでは、レスター大学の研究者が、二通のリチャードの手紙から彼がどのような言葉を話していたのかを復元しました。一通は1469年の手紙で王になる前のものです。友人に100ポンド貸してくれと頼んでいます。
もう一通は1483年のもので、王位に就いた後です。

ここで、読まれているのは借金を頼んでいる方です。 (^o^)

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-leicestershire-21369077

http://www.telegraph.co.uk/history/9850249/Voice-of-the-King-did-Richard-III-have-a-West-Midlands-accent.html

使われている綴りは、概ねロンドンの標準的なものですが、当時は今と違って、自分の話している通りに綴る傾向があるので、どのように発音していたのかがわかるのです。これからすると、少なくとも一つは中西部の発音だそうです。しかも、現代のものとは大分違うだろうとのことです。

これは、父が所有していたラドロウ城にいたために、そこの発音が身に付いてシュロップシャー出身のように聞こえるのだろう、とのことです。

_ grendel's mum ― 2013/02/13 10:17

danteさま

ちゃんと見たという記憶があって、しかもよかったって覚えているなら大丈夫!DVD楽しみに見てみます。

jadeさま

百年戦争好きのjadeさま、もしRAがRichard IIIの映画かドラマをやるってことになったら、RAがThorinをやるって知った時の私みたいにうれしくて飛び跳ねて踊っちゃうかしら。(^o^)

いろいろと詳しいご紹介ありがとうございます!jadeさまのお仕事の修羅場が収まったところでよかったわ。

ところで、このリチャード三世の発音の再現、なんだかたどたどしくてあまり上手とは言えないけど(学生が読んでる中英語みたい?)でも面白かった。RAならもっと上手に読んでくれただろうから、彼に頼んでほしかったな。でもそれが聞ける日も来るかも・・・ですよね。
(*^^)v

_ jade ― 2013/02/13 10:42

うんにゃぁ、わたしはやっぱり前にも書いた通り、エドワード三世をやって欲しいなぁ〜。リチャードなら背も高いから、鎧姿も見栄えがします。エドワード三世は多分リチャードくらいの身長があったみたいだし。Edward freak.

ほんと、リチャード三世の再現発音のあまりの下手さに、最初ちょっと何言っているのかわかりませんでしたよ。

_ jade ― 2013/02/13 13:10

あ、ちょっと上の記述は良く知らない方には誤解を招きそうなので、追記しておきますが、この再現発音は中世の発音なので、現代の発音ではありません。あ〜、それにしても本当にたどたどしい。

さて、レスター大学の、リチャード三世関係のまとめがここにあります。発掘の模様や、2月4日の記者会見の模様のヴィデオもあります。

http://www.le.ac.uk/richardiii/

_ grendel's mum ― 2013/02/13 17:01

jadeさま、

ふむ、エドワード三世ね。ま、リチャード三世は、RA本人も言っているように、身体的・年齢的にちょっと無理があるからね。
私はとにかく、二度とCaptain Americaみたいな下らないのには出ないで、歴史物やってほしいなあ。

このレスター大学のリンク、すっきり整理されていていいですね。
ここにある動画、アップしようかな。

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