『ホビット 竜に奪われた王国』最新メイキング映像2014/07/04 10:23

7月9日の『ホビット 竜に奪われた王国』のブルーレイ&DVDの発売に向けて、映画.comで特集が組まれています:

うれしいことに、ビヨルンとワーグの新しいメイキング映像が見られます!

ビヨルンの家の食卓のシーン、ホビットたちと別々に撮影していたとか、ワーグは『二つの塔』の頃とはずいぶん変わったなとは思っていたけれど、具体的にその経緯が分かったり、アゾグが乗っている灰白色のワーグがメスだとか、いろいろ面白かったです!

そして、ピーター・ジャクソン監督のFBによれば、まもなく第三部『ホビット 決戦のゆくえ』のトレイラーが見られるようですね!
本格的なものは、まだCG処理が終わっていないから10月までお預けだそうですが、早くみたいですね!!



リチャード・アーミティッジ インタビュー@Sunday Times2014/07/07 21:54

リチャード・アーミティッジのSunday Timesのインタビューです。



『イントゥ・ザ・ストーム』TV Spot1~32014/07/07 22:40

アメリカで8月8日公開(日本公開は8月22日)のInto the StormのTV Spotを三つ:





SootyさんのThe Crucible観劇レポート2014/07/11 13:02

Sootyさんがすばらしい観劇レポを送って下さいましたので、\(^O^)/シェアさせていただきます。≦(._.)≧


* * *

皆様ご周知の通り、リチャードの舞台  The Crucible(るつぼ)の上演が6月21日から始まりました。7月1日夜、ロンドンで観劇する機会に恵まれましたのでご報告します。

プログラムに掲載のアカデミックなエッセイや、帰宅してからはリチャードの新着インタビューなど読ませてもらい、考えをまとめようとするうち遅くなってしまいました。そして結局は思いつくままの感想、というか個人の覚え書きなのですが……gm様も来月ご鑑賞の予定なので、私のこのレポートはそれまでのお目汚しということで。

私が観たのは、業界人や記者さんを集めた7月3日のプレスナイトの前でした。その後、主要紙に軒並み五つ星の評が出て納得しています。

プレビュー公演、というのを連日試行錯誤ありの調整期間と私は理解しています。The Old Vic は良心的なので、チケットも本公演より安かった。しかし、それも7月8日まで。このあとは9月半ばまで、文字通り重厚長大の舞台が続きます。正式なオープニングが、マーティン・フリーマン主演の「リチャード三世」と同じ7月9日だったのは単なる偶然でしょうか。

The Crucible はリチャードを始め、キャスト全員、たとえプロでも肉体的・精神的に多くを要求されるギグだと思います。演目そのものがとてもシリアスだし、激しい身体表現も多い。あと、今回おかずが実に沢山の演出というか、演出家が戯曲の行間を読みまくった結果か、ともかく上演時間が長いのです。リチャードは、決して3時間半出ずっぱりというわけではありませんが。

おかげで観賞後、私は毎晩7時を過ぎると彼らのことを思い出し、そわそわするようになりました。同じロンドンで The Cruible の翌日観ることのできた新版「リチャード三世」も9月後半まで。元トーリンとビルボ(というのも妙ですが。中の人たち?)と仲間たちの健闘を、両舞台の千秋楽まで祈り続けることになりそうです。

で。劇場はサウスバンクの先にあるので、その日私はバスでテムズ河を渡り、着いてすぐ地下でコーヒーとサンドイッチ( ソフトチーズ&クランベリー。意外なおいしさ!)を摂りました。客層は、Mail Online の評で揶揄された通りたしかに20〜30代の女性が多い。でも、他にも娘や息子をつれたベテランキャリアウーマン風、一人で来ているおじさま、二人で来ているおじさま、流行りの geek chic(クールおたく)ファッションのお兄さん、色々です。日中韓のいずれか的なファンガールさんたちの姿は少なく、ほっとするような心細いような。

The Old Vic は古い劇場ですが、改装して今は両国の国技館の如く、すり鉢の底に円形の舞台がある感じ。客席の最前列は、床の高さが舞台と殆ど変わりません。ストラトフォードのスワン劇場や、ロンドンの Donmar Warehouse も三方が客席に面した所謂オープンステージなので、ちょっと似てる。でも私は昔、いつも2階席でした。今回座ったのは、上手のちょうど舞台袖にあたる部分の3列目。いつになく舞台に近いです。近すぎて、開演が怖いくらい。そして、下手の袖に座らされている人々とは、舞台の空間を隔ててお互いにばっちり顔を合わせているという環境。これは初めての経験でした。

冒頭、出演者ほぼ全員が無言で舞台に登場し、観客にお目見えするかたちで、このお芝居は始まりました。プレビューの初日、娘たちが出てきて踊るのを最初見せられた人もいるようなので、この演出もひょっとすると今は変更されているかも知れません。え、え、リチャード何処、ときょろきょろしそうになったのは私だけじゃなかったと思います。が、要はジョン・プロクターを含む、セイラムのコミュニティーの人々が勢揃いして立っているのと、同じ空気をひとしきり観客に吸わせるのがこれは目的だったのではないか。観客の一人一人に舞台との一体感をもたらし、これから始まることの証人役を引き受けさせるため。……観に来ちゃってる以上、もう誰も嫌とは言えません。

このあとのお話の展開については、戯曲の内容をご存知のかたには説明不要と思います。

ひとつだけ。アーサー・ミラーはマッカーシー主義と「赤狩り」に意を反して書いたそうですが、それも今や、作品のバックグラウンド情報以上の意味をもたない話だろう、と私は感じました。17世紀の実話に基づいて書かれた戯曲を読み、芝居を観て何を思うかは、完全に人それぞれだから。人間の集団ヒステリー。狂信的なキリスト教。特定のコミュニティー内で、私怨や、個人の利害も絡み、自分たちと異質なものを迫害しようとする心理。何をいちばんおぞましいと感じるか、その人次第だと思います。

この舞台のセットと照明デザインは、完璧。衣裳やヘアメークも私のストライクゾーンでした。リチャードの圧倒的な存在感と演技力は、言うまでもありません。あと特筆すべきは大勢の若手女優さんたち。

病気のベティーの体技と顔芸はまるで LIVE! 映画「エクソシスト」。また、アビゲイルとメアリーそれぞれの見せ場では、ああ私は今イギリスの未来の大竹しのぶを見ているんだ、とわけの分からないことを思いながらも感動しました。彼女たちは、ジョン・プロクターが咆哮している後ろでひとかたまりのお団子になっている写真がありましたが、あの後、アビゲイルのおかげで舞台は今まで私が見たことのあるどんなお芝居よりすさまじい、阿鼻叫喚のシーンへとなだれこんでいきます。

このお芝居、雰囲気作りをするのにやたら時間をかけたあげく大勢で絶叫しすぎ、特に主人公が、という評も見かけました。それを言うなら、笑顔の人なんて最後まで一人も出てきません。分かっていたけど、もう、そういうお芝居なのだとしか。商業演劇と舞台芸術、両方なのだから何処かでバランスを取って、客の中には遅い電車で帰らなくちゃならない人がいることも、演出家さん、どうか考えてください……と私もちょっと思ったのは事実ですが。

同じキャストで、ちがう演出だって可能だろうとも実は思ったのです。プロクターは一度アビゲイルと過ちを犯しこそすれ、妻や家族、友人たちを愛し、強く、高潔な人物で、最後は自らの尊厳を守り死んでいく。でも、本当はもうちょっと人間らしい、客が思わず共感させられ、彼のことを愛おしいと思わされるようなところも見せてほしかった。笑顔とか。

唯一、プロクターが帰宅して、所謂「嫁のメシがまずい」シチュエーションに陥る所で私は和みました。そのシーン、彼が鍋の蓋をあけたとたん、獣肉を煮込んだシチューの匂いが客席へまで漂ってきたのです。ああ何だか心底、癒されました……。かつて、映画 LOTR に登場したエオウィンが料理下手だったエピソードを連想してしまって。

因みに The Crucible の舞台をデザインした売れっ子の Soutra Gilmour 女史は「リチャード三世」の担当でもありました。新進気鋭の演出家 Jamie Lloyd 氏のお気に入りデザイナー、なのだそうです。70年代後半のイギリスをモデルにした、架空の世界が舞台の「リチャード三世」も、あらゆる面で The Crucible と対照的ですが面白かった。金魚がいる水槽、蛍光灯、TVモニター、マイク、テープレコーダー、テレックスなどギミック満載の舞台。おそらく戯曲の三分の一以上をカットしての、スピーディーな展開。夜のオフィスのエレベーターから登場する血まみれレディ・アンの亡霊は、貞子そのもの。マーティン扮するリチャードも非常に苦しまされていましたが、泊まっていた学生寮で私はその夜、トイレへ行けなくなりました。

長くなってしまいごめんなさい。でも、読んで下さってありがとう。この夏ロンドンで観劇されるかた、どうかご期待下さい。